「防災訓練」〜万一に備えて〜

ペンネーム:浦和レッツ

埼玉弱問研では、昨年12月の定例会として防災訓練を行いました。当日はさいたま市防災センターを会場に、煙体験、地震体験、消火訓練などを行いました。

煙体験は、煙が充満した建物(煙ハウス)の中を、いくつかの部屋を通って避難する体験です。二人一組になって煙の中を腰を屈めて避難します。ドアの前まで行ってもドアのノブが見えないほどの煙の中を、壁伝いにまさに「手探り」で避難します。練習用の煙なのでにおいなどはありませんが、本当の煙だったら前が見えないだけではなく、むせたり目が痛くなったりして、まさに命懸けだろうと思いました。

地震体験では起震装置を使って震度7までを体験しました。最初は椅子に座った状態で、揺れを感じたらガスの元栓を閉め、歪んでドアが開かなくなる前にドアを開けた後、テーブルの下に逃げ込みます。震度6以上ではテーブルの脚につかまって自分を守るのが精一杯。本当の地震では物が落ちてきたり、ガラスが割れたりしてもっと大変なことになるのかと想像すると、普段の備えの大切さを実感しました。

ヘルメットをかぶってテーブルの下にもぐっている
〔写真〕地震体験の様子

消火訓練では場所を屋外に移し、本物の消火器で本当の火を消火しました。普通はシミュレーション装置を使って行うそうですが、今回は弱視ということですべて本物で体験。万一に備え、ホースを持った消防士さんもスタンバイという大掛かりなものでした。本物を使ったことで火の熱さや消火器の重さ、消火剤が噴き出す時の感覚などが実感できました。消火器も使い方が分からないと役に立ちません。かといって普段本物の消火器を使うことはできませんから、とても貴重な体験ができました。

屋外で介助してもらいながら消火器による消火作業
〔写真〕消火訓練の様子

火災や地震の怖さは頭では分かっていても、実際に体験することで改めて実感できます。今回の訓練が弱視者を対象とした特別なこととして、今回限りで終わるのではなく、これをきっかけにいつでも誰でもこうした訓練が受けられるよう、体制整備につなげて行くことも大切だと思います。

なお、当日の模様はNHK、フジテレビ(両局とも関東地方のみ)、テレビ埼玉の各局でニュースとして放映されました。

ページ先頭へ

この記事は、「弱問研つうしん」2003年3月号の「定例会レポート」の内容を、執筆者および編集局の了解の基に掲載したものです。