定例会レポート:埼玉 「新型iPhone] FaceID体験会」

定例会レポート:埼玉 「新型iPhone] FaceID体験会」

埼玉弱問研

 2017年11月4日(土)、埼玉弱問研の定例会が開催されました。今回は新型iPhone](アイフォーンテン)に搭載された顔認証技術「FaceID(フェイスアイディー)」の体験会です。
 講師を務めるのは、「Accessibility Stream(アクセシビリティ ストリーム)」のペンネームShin(しん)さんです。なんとわざわざ関西からお越しいただきました。Shinさんはこれまでインターネット配信を通して、主に視覚障害者に役立つデジモノ系のネタを紹介しています。今回はShinさんの企画と埼玉弱問研の定例会が偶然一致したため、定例会ごとShinさんの企画に加えてもらいました。

 会場には9名の参加者が集まりiPhome]を囲みました。iPhne]がShinさんの手に届いたのは定例会の前日のこと。新品同様のiPhone]をベタベタと触らせていただきました。
 さて、今回体験するFaceIDの説明です。従来iPhoneには他人が勝手に端末を操作させないようセキュリティロックがかけられています。このセキュリティロックを解除するために暗証番号、いわゆるパスコードを入力していました。そして技術は進み2013年に発売されたiPhone5Sでは、TouchID(タッチアイディー)という指紋認証でセキュリティロックを解除する機能が追加されました。さらに顔認識技術を使って、iPhone]に顔を向けるだけでセキュリティロックを解除できるようにした機能、それが今回体験するFaceIDです。
 FaceIDは事前に顔を登録する必要があります。iPhoneの読み上げ機能VoiceOver(ボイスオーバー)にも対応していますが、どこまで読み上げてくれるのでしょうか。実際に体験した丸山さんの声です。

「私は画面がほとんど見えないので、VoiceOverを使って作業しました。顔の登録時には、自分の顔が画面の枠の中に写るようにiPhone]の位置を微調整する必要がありますが、音声ガイドで“もう少しiPhoneを下げてください”など、とても親切なガイダンスがあるため、画面が見えなくてもスムーズに登録作業が出来ることが確認できました。」
参考サイト
筆者が当日faceIDを登録した際の様子を画面収録(YouTube)

 視覚障害に関係なくFaceIDの登録ができることがわかりました。
 あとはiPhone]の画面を覗き込めばセキュリティロックを解除できます。iPhone]と顔の距離は30センチくらい離すのですが、慣れが必要かもしれません。
 顔認識するときには顔を向ける以外に注視が必要です。これは寝顔で他人にロック解除させないための機能です。ただ、眼振や全盲の場合はなかなか注視することができないため、難しいのではないかと予想していました。そこでFaceIDには「Face IDを使用するには注視が必要」というオプションを無効に切り替えることができます。これを無効にしておけば、眼振や全盲でも問題なく顔認識されるというわけです。実際に試した感覚では、上記のオプションを無効にしなくても、眼振や全盲の人の顔認証ができました。もしかしたらこのオプションをそこまで意識しなくても良いのかもしれません。
 懸念材料が2つほどありました。まず、弱視眼鏡(拡大眼鏡)をかけて顔を登録すると、眼鏡をはずした時に認証しなくなります。ちなみに近視用メガネやサングラスでは問題ないようです。
 また、FaceIDでセキュリティロックを解除した時にフィードバックがないことがわかりました。ただし、VoiceOverを使えばシューという独特な音が鳴って解除されたことがわかります。VoiceOverを使わない弱視にとっては微妙なところです。
 いずれにしても今後メーカーが改善してくれるかもしれません。購入を検討する場合は事前に店頭で体験してみることをお勧めします。