電光表示
駅ホームや構内に設置されている電光掲示板は、列車の出発時刻や遅延状況などを表示する仕組みとして極めて重要な役割を担っている。私達弱視者も、個々の見え方
の度合いに応じてこの仕組を頼りに駅構内の移動や鉄道乗車を行っている。ところが、現状の仕組みが私達弱視者にとって必ずしも使い易いとは言い難いものとなってい
るのも事実である。その一端を次に紹介する。
- 見るのに時間がかかる弱視者の場合、運行情報を示す電光掲示板の動きが早い、日本語と英語の表示とが目まぐるしく変わるため見るのが追いつけず読み取るのに一苦労する。
- 強度の弱視者は、電光掲示板そのものの場所を探すこと自体が難しく、もし見つけられてもその表示内容が読み辛い場合があるので、放送での案内はとても助かる。
- 階段やエスカレーター入る際、番線や行き先の表示が壁に近い場所にあったり大きな電光表示はとても見易くて助かる。
- 電光掲示版の文字幅が細く、更に太陽光や昨今のLED照明の導入などの眩しい光源の下では、コントラストが著しく低下し、掲示内容の把握が困難となる。
電光掲示板は、限られたスペースに必要な情報を掲示する性質上、表示文字の大きさや幅と掲示する情報量とはトレードオフの関係にならざるを得ないため、ある程度の制限が出るのは致し方ない。従って、先の事例にもあるように、電光掲示板の改善と同時に、この制限を補う形で、音声案内の充実も必要不可欠と考える。
参考として、筆者が比較的見易いと思われる某鉄道会社の電光掲示板を以下に紹介する。
レポート目次に戻る