券売機・精算機・運賃表
券売機や運賃表について、弱視者である私たちが感じていることを4つに分けてまとめた。
@ICカードの普及
ICカードがどの鉄道会社でも使えるようになったので、切符の購入や小銭を使う煩わしさから解放された。
JR東日本ではICカードへのチャージも、券売機のテンキーと音声ガイドでできるのでとても便利である。単独で利用する場合はチャージさえしておけば使える。
その場で残高確認ができないこともあるが、残高確認ができる機器も販売されているので、自宅のパソコンで行っている人もいる。
A券売機の操作
近距離切符の購入は券売機のテンキーと音声ガイドで可能なので困らないという声が多いが、駅や鉄道会社によって機械が違うので戸惑ってしまうという声もある。
回数券や定期券の継続、インターネットで予約した指定券や特急券の購入などは、券売機にテンキーおよび音声ガイド操作機能がないため使えない。
新幹線など「みどりの窓口」の券売機は、タッチパネルのみの操作なので、音声ガイドがあっても操作が難しい。
多機能な券売機での操作は時間がかかり、人が集中してしまった時などはとても購入しにくい。
座席指定券を券売機で購入する場合、画面の図や文字が小さいためとても難しく不便である。
券売機によっては「子供2枚」がないので、手間がかかってしまう。「障害者用」若しくは「障害者ボタン」を、券売機のわかりやすい位置に設置して頂けると嬉しい。
ある程度視力のある弱視者の中には、音声案内やテンキーでの操作などの配慮があれば、多機能券売機が使える人もいる。自動化に際しては、より多くの人にとって使いやすいユニバーサルデザインの仕様をぜひ取り入れてほしい。
回数券や定期券の継続、インターネットで予約した指定券や特急券の発券などのように、比較的手順の少ない操作は、券売機にテンキーおよび音声ガイド操作機能があれば使えそうなので、取り入れていただけると嬉しい。
写真 JR東日本線 券売機のテンキー 左下の
*
ボタンを押すと音声ガイドが流れて、プッシュホンのようなメニュー操作ができる
B窓口営業の必要性
私鉄などで定期券発売所を集約している区間では、定期券発売所の減少が続いていて、タッチパネル式券売機が使えない弱視者には不便になっている。
営業時間外は券売機のタッチパネルの音声案内だけを頼りに操作することができないので、実質的に購入できず不便である。
鉄道会社によって定期券発売所で回数券の販売をしていないところがある。駅窓口で当駅分は購入できるところもあるが、その方法だと最良の区間にならない場合がある。
タッチパネル操作のみの券売機は使えない弱視者も多く、障害者手帳による割引切符の購入ができないので、せめてひとつの窓口営業を通常時間通りやって欲しいという声が挙がっている。
C点字運賃表の活用
高いところに掲示された運賃表は見えないが、目の高さにある点字運賃表を見ることのできる弱視者は多い。
点字運賃表に併記されている文字が、配色によっては見るのが困難な人もいる。例えば、背景が黄色で文字が黒のものは見えやすいが、背景が金色に文字が黒ではかなり見えにくい。
写真 東京メトロ各駅の自動券売機脇にある運賃表 目の高さに合って近づいて見られるのでうれしい
レポート目次に戻る