プラットホーム・案内サイン
私たちが電車の乗り降りをする際に感じる、嬉しい配慮や困ることについて、5項目に分けてまとめた。なお放送については、「構内放送・自動音声案内」を参照されたい。
@乗車口の案内
利用する路線によっては、乗車する車両が何号車なのかを意識する必要がある。例えば、埼玉ではJR高崎線・宇都宮線・湘南新宿ライン、東武鉄道・西武鉄道の長距離路線などが該当する。
- 号車番号やグリーン車の表示は、天井からの吊り下げだけでなく、床や柱・ホーム柵などに表示して、柱やホーム柵には点字も併記して欲しい。床の表示はとても助かるが、混んでいる場合に読めないのが残念。
- 編成両数によってグリーン車の停止位置が変わることもあり、間違えて乗ってしまった経験をした人も多い。弱視者の中には白い杖をついていない人もいるが、他の号車まで走ることも難しいので、そのような事情を説明した際は配慮をお願いしたい。
A出口などの案内
用事で外出するときなどに利用する駅では、出口や乗り換えの見易い案内表示や案内放送がとても助けになっている。次のような意見が多かった。
- 東京メトロのホームの柱や壁を利用した停車駅と乗換線、乗換位置や出口のの案内表示が、とても見易く便利。目の高さ付近にあり、コントラストがはっきりしている。
- 階段やエスカレーター位置を知らせる音響サインも助けになっている。
- 乗り換え番線や時刻を乗務員が放送で案内していただけるケースは、とても助かる。
写真 東京メトロ 柱を使った目の高さて見易い乗換案内の例
Bホームの照明と配色
視覚障害者の9割ぐらいの人は、明るいところでわずかな視力も頼りにして歩いているので、明るい照明や見分けやすい配色もとても助けになっている。
- 壁や柱と床は同じような色だとわからずにぶつかってしまう危険性がある。
- ホーム端の警告ブロックが、ホームの床の色と似ていて見えにくいことがある。周囲の床の色とくっきり目立つようにして欲しい。
- 夜間など、ホームの照明がまだらなケースはとても歩きにくいので、なるべく均一に十分な明るさを確保して欲しい。
- また、昼間でも列車や建物の陰になるケースも多く、列車乗降や階段などの利用に不安を感じることがある。列車やホームの照明に配慮して欲しい。
C転落防止のための設備
プラットホームでの事故は、列車への接触による痛ましい事故にならなかった場合でも、骨折といった大けがに繋がるケースも多い。視野や視力に障害がある視覚障害者には経験者も多いが、障害がなくても体調不良その他の偶発的な要因での事故が増えて来ていることも懸念される。
- 可動式ホーム柵が設置されることで、より安心して鉄道を利用することができるので、可能な限り促進して欲しい。
- 現状のホームドア・ホーム柵の方式に限らず、列車への接触、線路への転落が提言できる方式の開発・導入を期待する。
- ホームの線路沿いに敷設してある内方線付き点字ブロックは、通常のものよりわかりやすい。すりへったり色あせているところは、早急になおして欲しい。
- 列車とホームとの隙間など、乗降時にヒヤリとした経験がある人も多いので、隙間を小さくしたり、やむを得ない場所では音声などによって注意喚起をして欲しい。
- ぜひホームには駅員に常駐していただき、必要なときにサポートをお願いできると助かる。改良工事などの際は特にお願いしたい。
写真 少しずつですが普及して来たホーム柵
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